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若年層のセルフネグレクト・・孤独死する経緯 [葬儀]

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今そこにあるセルフネグレクト
誰にも看取られることなく、ひっそりと部屋で最期を迎える孤独死

死者数は年間3万人といわれるが、その中で見落とされがちなのが、働き盛りの現役世代です。

日本少額短期保険協会が発表した「第3回孤独死現状レポート」によると、2015年4月~18年2月までの孤独死者のうち、50代以下が約4割を占めるそうです。孤独死というのは、決してお年寄りだけのものではないのです。

地域の民生委員の訪問や、町内会や自治会の見守り活動などによって、高齢者は福祉の網にかかりやすいのですが、現役世代は対象となりにくい。そのため死亡後の遺体の発見が遅くなることも多いのです。

孤独であることは1日15本たばこを吸うのと同程度の健康への悪影響があることや、国際的に見ても日本人が社会的孤立に陥りやすい現実、職場での孤独などから、セルフネグレクトは引き起こされます。


仕事の愚痴を誰にも言えず、ゴミに囲まれながら孤独死した30代女性
フジテレビの情報番組「ノンストップ!」で、仕事のストレスからセルフネグレクトになり亡くなった30代女性のケースを紹介していました。

女性は一人暮らしでしたが、仕事が忙しく、帰宅が深夜になりがちで、時には疲れのあまり着替えもせずに眠ってしまうこともあったそうです。食事も出来あいの物で済ませることが多く、掃除やゴミ出しなど、快適な生活を維持する行為は徐々に滞っていきます。

仕事では、溜まった疲れからミスを発生させてしまい、そのミスをカバーするためにまた長時間働き疲弊するという悪循環にはまりますが、本人はそれに気づきません。同僚や友人からの食事の誘いは「仕事があるから」と断り続けているうちに人間関係も希薄になります。

親に電話をするも、心配をかけまいという思いから愚痴をこぼすこともできず、仕事のストレスを一人で抱えていきます。そしてその間にも、部屋のゴミ袋は増えていき・・・

ある日、出社してこない彼女を心配した同僚が部屋を訪れると、天井までうず高く積まれたゴミの山の中で亡くなっているのが発見されました。死因は心不全でした。

通常なら、片づけたり掃除をしたりと、住みよい環境を確保するため何らかの対策を講じるのですが、そうした「自分が生きるための努力」が出来ず、ひたすら無気力になっていくのがセルフネグレクトの恐ろしさです。

「好きなものしか食べない」「歯磨きや入浴が億劫」は要注意
高齢者のセルフネグレクトは配偶者やパートナーとの死別・離婚、リストラなど、社会的な人間関係の断絶が引き金になりがちです。
しかし若い人の場合、仕事の深刻なストレスやそれに伴う精神疾患をきっかけとするケースが多いといいます。

スタジオでは、遺品整理業者の石見良教さんが「セルフネグレクトは誰でもなる可能性がある」と警鐘を鳴らします。

「物をなんでも積み重ねる」
「好きなものしか食べない」
「歯磨きや入浴が億劫」

などが日常化している人は、かなり危険だそうです。

セルフネグレクトで孤独死した人の部屋には、「自分を管理する」「断酒、継続は力なり」といったメモが壁に貼られていることが多いそうだ。これは「荒れた部屋を戻そうとした痕跡」であり、自分の異常さに気付き、改めようとした証拠だ。しかし、決意を継続できず無気力になるのを繰り返したのち、雑然とした部屋の中で孤独死となるそうです。

こうした背景もあってか石見さんは、セルフネグレクトを防ぐための心がけとして「強制的に人を家に呼ぶ。出来ないのであれば、誰でもいいから周りにSOSを発信する」と、人を頼る重要性を説きます。

ただ、先ほどの30代女性のように誰にも相談できず自分を追い込む人にとっては、自分から助けを求めるのはハードルも高いでしょう。匂いや様子から異変を感じた周囲が躊躇せず本人に声をかけることも、孤独死回避には有効な手立てかもしれません。

玄関までの動線で亡くなる
ある八王子市の50代男性は、キッチンの床に突っ伏した状態で最期を遂げていました。死因は脳血管疾患。何らかの身体の異変を感じて、外部に助けを求めようとしたのだろう。キッチンの食器は割れて散らばり、玄関の土間を向いて亡くなっていたといいます。

この男性のように玄関に頭を向けた状態で亡くなる例は少なくありません。特殊清掃の業者によると、苦しみのあまり外に飛び出そうとして、玄関までの動線のどこかで亡くなっているケースが圧倒的に多い。

隣人の学生から「異臭がする」と管理会社に連絡があり、孤独死が発覚。部屋の中はゴミで埋め尽くされており、警察が部屋に踏み込むと、男性はとうの昔に息絶えていて、何十匹ものハエが頭上を飛び交っていました。

男性はバツイチの独身で大手電機メーカーの管理職でしたが、糖尿病の治療を理由に定年の5年前に早期退職しました。その後は近所付き合いもなく、家に引きこもりぎみだった。退職金と貯金で暮らしていたが、冷蔵庫の中には何も入っていませんでした。押し入れにはカップラーメンとサプリメントが山積みになっており、偏った食生活を送っていたのは明らかでした。

孤独死の7割を占めるセルフネグレクト
孤独死の7割以上を占めるのが、こういったセルフネグレクト(自己放任)です。

セルフネグレクトとは、生活や健康状態が悪化しているにもかかわらず、改善する意欲や周囲を頼る気力がなくなってしまう状態のことを指します。
部屋をゴミ屋敷にしたり、必要な食事を摂らなかったり、体調不良でも医療を拒んだりして、自身の健康状態を悪化させていくのです。

「緩やかな自殺」との別称もあり、近年は大きな社会問題となっています。セルフネグレクトは誰にでも起こりえます。ビジネスパーソンも仕事に追われ、忙しさのあまりに、気づけば家がゴミ屋敷化したり、食生活がなおざりになっていたりするケースが多いのです。

死はいつ訪れるか誰にもわからない。高齢化や核家族化が進む中で、高齢者の孤独死問題に注目が集まりがちです。
しかし働き盛りのビジネスパーソンであっても、孤独死は決して無関係ではないのです。


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